「またか」——千葉が今年3度目の大雨被害を受けた。この言葉の重さを考えたい

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2026年9月24日 | 防災・気候


「またか」という言葉が、千葉のニュースの見出しに並んでいた。

台風25号が9月21〜22日にかけて関東を直撃した。シルバーウィーク5連休の最中だった。

千葉県と神奈川県で死者10人、行方不明4人。千葉県内では一時約5万8,000軒が停電し、今朝の時点でまだ2万軒超が停電したままだ。JR内房線をはじめ複数の在来線が運転見合わせを続けており、一部区間では復旧に1週間以上かかる見通しだという。

千葉市の熊谷俊人知事は「県民に適切な情報を」と訴えた。

でも、問題はそこだけではない。

今年3度目の大雨被害——それが千葉の現実だ。


今年の千葉に、何が起きてきたか

順番に振り返る。

1度目:6月の台風6〜8号

6月、台風が立て続けに発生し、千葉でも被害が出た。この段階では「今年の台風は早い」という警戒感が広がった。

2度目:8月の千葉豪雨(8月13〜14日)

線状降水帯が3度発生し、気象庁が「令和8年8月千葉豪雨」と正式命名した。死者10人、浸水1,500棟超。9月1日の防災の日記事でも触れた、今年の千葉最初の大規模水害だ。

3度目:台風25号(9月21〜22日)

シルバーウィーク連休を直撃。房総半島を中心に土砂崩れが多発し、袖ケ浦市・山武市・鴨川市で50代〜80代の4人が土砂に巻き込まれて亡くなった。千葉市・佐倉市では道路冠水で車が孤立し、成田空港では帰宅困難になった観光客が運行を続ける京成線に殺到した。

3回。夏が終わる前に、3回。


「千葉がなぜこんなに」——地形の問題

千葉は決して「特別な場所」ではない。それでも今年これほどの被害が重なっているのはなぜか。

千葉県内の死者は袖ケ浦市、山武市、鴨川市と、いずれも土砂崩れによるもの。房総半島丘陵地帯の地形が、大雨との組み合わせで土砂災害リスクを高めている。

千葉の地形を地図で見ると、房総半島の内陸部は複雑な丘陵地帯が続いている。そこに民家が点在し、細い道が山を縫っている。こういう場所は、平地の洪水とは別の意味で脆弱だ。大雨のたびに斜面が崩れ、道が寸断され、車が孤立する。

さらに千葉は東京湾沿いの低地と、房総丘陵の両方を抱えている。低地は洪水に弱く、丘陵は土砂崩れに弱い。両方の弱点が同時に露出する地形だ。

加えて今年の台風は「8月の豪雨でただでさえ緩んでいた地盤」に、さらに大雨を降らせた。地盤が乾いていないうちに次が来る——これが「3度目」の被害を大きくした直接の理由だ。


「シルバーウィーク直撃」という皮肉

今年のシルバーウィークは11年ぶりの5連休だった。

9月のトレンドを振り返ると、ルミエールエクスプレス(夜行新幹線)が即完売し、旅行や帰省の予約が殺到し、「久しぶりの大型連休」として期待されていた。

その連休が、台風25号に直撃された。

被害を受けたのは「休暇中の人々」だけではない。復旧作業にあたる行政・電力会社・鉄道会社のスタッフも、連休返上で対応に追われた。観光地に来ていた旅行者が帰れなくなり、成田空港では帰国できない外国人旅行者も出た。

「11年ぶりの5連休」が、「11年ぶりの台風直撃連休」になった。


停電2万軒・JR復旧1週間——「その後」が長い

8月11日の記事で「訓練のシナリオには『その後』がない」と書いた。台風25号も、まさにそれだ。

台風が通り過ぎても、問題は続く。

今朝の時点で千葉県内に2万軒超の停電が残っている。袖ケ浦市では懐中電灯で生活している住民がいる。電力会社は復旧を急いでいるが、倒木や損壊した電柱が多く、アクセスできない地域がある。

JR内房線は姉ケ崎〜木更津間など複数区間で運転見合わせが続いており、復旧には1週間以上かかる見通し。通勤通学の初日となった今日、代替バスに乗客が殺到している。

停電1週間、鉄道不通1週間——それが「台風が去った後」の現実だ。


台風26号が発生している

今日の早朝、気象庁は台風26号の発生を発表した。現時点では沖縄の南の海上に向かう可能性があるとされており、今後の進路に注意が必要だ。

今年の台風発生数は、9月24日時点ですでに26号に達した。平年の年間台風発生数は約25個。つまり今年は9月の時点ですでに平年の年間発生数を上回っている。

「今年の台風は多い」という体感は、数字でも裏付けられている。


「今年3度目」が意味すること

8月13日の豪雨被害を受けたとき、千葉県は「令和8年8月千葉豪雨」という正式名称で記録した。気象庁が豪雨に固有名をつけるのは、将来の防災のために記録を残すためだ。

今回の台風25号は「令和8年台風第25号」として記録されるが、地域住民の記憶の中には「8月の次にまた来た台風」として残るだろう。

「またか」——この言葉には、疲弊と諦念と、それでも立ち上がるしかないという意思が混じっている。

3度目の被害が来るたびに、地盤は少しずつ傷んでいく。インフラは少しずつ疲弊する。住民の精神的な消耗も、数字には出ない。

防災の日(9月1日)にこのブログで「備えの第3段階は人とのつながり」と書いた。今の千葉で本当に重要なのも、倒れた電柱より、孤立した高齢者のところに誰かが行けるかどうかだ。


今、自分にできること

千葉に縁のある人へ:家族・友人の安否確認を。停電・断水が続いているエリアがある。

支援を考えている人へ:今すぐ現地に行くのは復旧作業の妨げになりやすい。千葉県・各市町村の公式サイトでボランティア受け入れ情報を確認してから動くのが正解だ。

遠くに住む人へ:千葉は3度目だ。「また千葉か」と流し読みしないでほしい。3度目の被害を受けた地域の人々が、今日も懐中電灯で朝を迎えている。


まとめ

  • 台風25号が9月21〜22日にシルバーウィーク5連休を直撃
  • 千葉・神奈川で死者10人・行方不明4人。千葉県内で土砂崩れが多発
  • 一時停電5万8,000軒→今朝も2万軒超が停電継続。JR一部区間は復旧に1週間以上
  • これは千葉にとって今年3度目の大規模大雨被害(6月台風・8月豪雨・9月台風)
  • 「8月豪雨で緩んだ地盤に9月の台風」という複合的な脆弱性が被害を拡大させた
  • 台風26号が本日発生。今年の台風発生数は9月時点で平年の年間数を上回っている
  • 「またか」という言葉の裏にある疲弊と、それでも続く復旧を遠くから見守ることが、今できる最低限のことだ

参考:NHKニュース(2026年9月22〜24日)、東京新聞デジタル(2026年9月23日)、毎日新聞・Yahoo!ニュース(2026年9月22〜23日)、日テレNEWS NNN(2026年9月23日)、千葉日報(2026年9月22日)、ABEMA TIMES(2026年9月24日)

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