予想と現実のギャップ

数年前にAIによって消滅すると予測された職業の実際の状況について詳しく検証した結果、以下のことが分かりました。

ご感想をいただきましたので、第2弾はこちら

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有名な予測の検証

2013年にオックスフォード大学のフレイとオズボーンが発表した研究では、「47%のアメリカの職業が今後20年以内にコンピューター化される可能性がある」と予測されました New AtlasITIF。しかし、この予測から9年経った時点での検証では、実際の職業の消失は予測とは大きく異なる結果となりました Oops: The Predicted 47 Percent of Job Loss From AI Didn’t Happen | ITIF

具体的な職業の現状

銀行の窓口係(テラー) 最も自動化リスクが高いとされた保険査定官の雇用は実際には16.4%増加し、最もリスクが低いとされたレクリエーション療法士は8.9%減少しました Oops: The Predicted 47 Percent of Job Loss From AI Didn’t Happen | ITIF。ATMの導入により銀行テラーの仕事内容は変化しましたが、職業自体は消滅せず、むしろ顧客サービスや営業に特化した役割に変化しました KentuckianaWorksWorld Economic Forum

経理・事務職 簿記係の雇用は2016年から2026年にかけて1.5%減少、テラーは8.3%減少すると予測されていますが、完全な消失には至っていません In the money: occupational projections for the financial industry : Beyond the Numbers: U.S. Bureau of Labor Statistics。会計士の数は1989年の52.4万人から現在約128万人に増加し、2029年まで年4%の成長が見込まれています Here’s why robots could create more employment opportunities | World Economic Forum

2025年現在の実態

限定的な影響

2025年に入ってテック企業での77,999人がAI関連のレイオフの影響を受けました AI Job Displacement 2025: Which Jobs Are At Risk?が、これは予測された大規模な職業消失とは程遠い規模です。

職業の変化vs消失

AIは多くのエントリーレベルの職業を完全に消去するのではなく、その性質を大きく変化させています AI is radically changing entry-level jobs, but not eliminating them。職場のタスクの自動化レベルは3年前と比べてそれほど変わっていません The jobs most likely to be lost and created because of AI | World Economic Forum

新しい職業の創出

1億7000万の新しい職業が今後10年間で創出される予測がある一方で、AIが同数の職業を自動化する可能性も指摘されています Is AI closing the door on entry-level job opportunities? | World Economic Forum

予測が外れた理由

オックスフォード研究の手法に欠陥があり、ファッションモデル、スクールバスの運転手、理髪師など、実際には自動化される可能性が低い職業も高リスクに分類していました Oops: The Predicted 47 Percent of Job Loss From AI Didn’t Happen | ITIF。また、彼らの研究は技術的な可能性を示したものであり、実際の自動化のペースについては予測していませんでした Automation and the future of work –… | Oxford Martin School

具体的な数字で見る現実

US employment statistics 2013 2025 jobs automation actual numbers

Growth trends for selected occupations considered at risk from automation : Monthly Labor Review : U.S. Bureau of Labor Statisticsbls.gov

Job Automation Risks for 2025: How Robots Affect Employment | Research.comresearch.com

AI Replacing Jobs Statistics: The Impact on Employment in 2025seo.ai

Employment Projections Home Page : U.S. Bureau of Labor Statisticsbls.gov

Jobs lost, jobs gained: What the future of work will mean for jobs, skills, and wagesmckinsey.com

Recession and Automation Changes Our Future of Work, But There are Jobs Coming, Report Says > Press releases | World Economic Forumweforum.org

U.S. total employment and unemployment rate 1980-2029 | Statistastatista.com

Employment Situation Summary – 2025 M06 Resultsbls.gov

Current Employment Statistics – CES (National) : U.S. Bureau of Labor Statisticsbls.gov

How Will Artificial Intelligence Affect Jobs 2025-2030 | Nexford Universitynexford.edu

雇用データから見る現実

全体的な雇用状況

2025年6月のアメリカの失業率は4.1%で安定しており、2023年から2033年にかけて670万の新規雇用が予測されています U.S. Bureau of Labor StatisticsU.S. Bureau of Labor Statistics。これは「大規模な失業」とは程遠い状況です。

予測の検証結果

アメリカ労働統計局のデータでは、自動化が危険視された職業について「一般的な職業消失の加速や、AI革命以前の傾向からの構造的な断絶を示す証拠はほとんどない」と結論づけています Growth trends for selected occupations considered at risk from automation : Monthly Labor Review : U.S. Bureau of Labor Statistics

実際の影響規模

現在、労働者の14%がAIや自動化による職場移転を経験していますが、これは予測された大規模な職業消失とは大きく異なります AI Replacing Jobs Statistics: The Impact on Employment in 2025。2023年5月には、アメリカで3,900の職業がAIに直接関連して失われましたが、これは同月の全職業消失の5%にすぎません AI Replacing Jobs Statistics: The Impact on Employment in 2025

新しい職業の創出

世界経済フォーラムの2020年レポートでは、2025年に8,500万の職業が置き換えられる一方で、9,700万の新しい職業が創出されると予測されています Research.comWorld Economic Forum

予測が外れた主な理由

オックスフォード研究が2013年に予測した職業消失は実現せず、むしろ労働者が自ら低賃金、昇進機会の欠如、軽視などの理由で転職している現実があります Job Automation Risks for 2025: How Robots Affect Employment | Research.com

職業の変化vs消失

マッキンゼーの分析では、現在のAI技術は労働者の時間の最大70%を占める業務を自動化する可能性があるものの、これは職業の完全な消失ではなく、業務内容の変化を意味します Jobs lost, jobs gained: What the future of work will mean for jobs, skills, and wages

これらの客観的なデータが示すとおり、「AIによる大規模な職業消失」という予測は現実には起こっておらず、むしろ技術の導入に伴う職業の変化と新しい機会の創出が主な傾向となっています。

結論

数年前に予測された「AIによる大規模な職業消失」は現実には起こっていません。多くの職業が完全に消失するのではなく、AI技術の導入によって業務内容が変化し、より高度なスキルが求められるようになっています。予測の多くは技術的な可能性を過大評価し、人間の適応力や新しい役割への転換能力を過小評価していたと言えるでしょう。

ふるさと納税がまたまた変わります

ふるさと納税、賢く利用してますか? 制度改正で知っておきたいポイント今や多くの人が利用しているふるさと納税。

2024年度の寄付総額は1兆2,000億円にも達すると推計されており、地域の活性化に大きく貢献しています。

ふるさと納税って、そもそもどんな制度?

ふるさと納税は、自分の応援したい自治体に寄付をすることで、2,000円を超える部分の寄付額が所得税と住民税から控除される制度です(上限はあります)。控除を受けるには確定申告が必要ですが、条件を満たせば「ワンストップ特例制度」を利用して確定申告なしで手続きを完了させることも可能です。

制度改正で変わること、知っておこう!

近年、ふるさと納税は返礼品の豪華さやポイント還元が注目され、自治体間の競争が過熱していました。本来の目的は「自治体の応援」なので、この状況を是正するため、総務省が制度の見直しを進めています。特に知っておきたい変更点は以下の2つです。

・ 2024年10月からの変更:旅行・宿泊券のルール変更 ⇛ 宿泊施設は寄付先の自治体と同じ県内にある施設に限定されます。 ただし、1人1泊5万円以下の宿泊や、甚大な災害の被災地での宿泊は例外として認められます。

・ 2025年10月からの変更:ポータルサイトのポイント還元が全面禁止に! 寄付に対してポイントが付与されるポータルサイトを通じた募集が禁止されます。 そのため、2025年9月はポイント還元を受けたい人たちの駆け込み寄付が増えると予想されています。

大切なのは「制度の趣旨」を理解することふるさと納税は、魅力的な返礼品が注目されがちですが、本来の目的は「納税先を自由に選び、応援したい自治体を支援する」ことにあります。今回の制度改正も、過熱する競争に歯止めをかけ、制度本来の趣旨に戻すためのものです。返礼品の魅力だけでなく、税制上の優遇措置であることを理解し、自治体への応援という本来の目的を意識して賢く利用しましょう。ふるさと納税は、上手に活用すれば税金面でお得になり、さらに地方創生にも貢献できる素晴らしい制度です。今回の変更点を踏まえて、あなたの寄付先選びに役立ててくださいね。

知事、政令市長の所得2024年分

知事と政令市長の2024年分の所得が公表されました。

給与だけで見ると知事は平均1950万円、政令市長が1990万円。ふーんという感じですが、ここからさらに、その他の所得が公表されています。

お。なんとも偶然なのか(笑)

【知事の部】

1位 岡山県知事 その他の所得9936万円。給与所得2286万円との合計1億2222万円。⇛株式の売却益によるもの

【政令市長の部】

1位 岡山市長 その他の所得1784万円。 給与所得2295万円との合計4079万円。⇛マンションの売却益によるもの

給与所得は岡山市長の勝ちw

その他の所得は県知事の勝ちw(株 ≫ 不動産)

なぜ勝ち負けと言っているかというと、この2人、仲悪い?と思われるところがチラホラ。

『県は「県建設事業費市町村負担金徴収条例」に基づき、県総合グラウンド(岡山市北区)の設備更新費用の一部を市に請求してきた。市は一律50%の負担割合は妥当ではないとの立場で、市側は大森市長と知事の会談を申し込んだものの県は拒否。市長は一時、訴訟を検討していることを明らかにしたが、延滞金発生を避けるため、市は県に4045万円を4月に支払った。市は引き続き県に再考を求めている。

 岡山市が北区野田に建設を計画している新アリーナについても、大森市長が県に費用の一部負担を求めていたが、交渉は停滞。大森市長は知事との会談を要請していたが実現には至らず、6月、市が単独で事業を進める考えを示した。』 (2024.7.4読売新聞朝刊より)

喧嘩の原因が、どっちも運動施設みたいなものの費用負担かーい。。。

ほかに整備するところありそうな気がしますが、今月ちょっと現地を見てきます。