2026年2月4日、イタリア北部で開催されるミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの競技が開始された。開会式は現地時間2月6日夜(日本時間7日早朝)に行われる予定で、2月22日までの17日間、8競技116種目で熱戦が繰り広げられる。
広域開催が特徴の今大会
今大会の最大の特徴は、五輪史上初となる「超広域開催」である。ミラノとコルティナダンペッツォを冠した大会名が示すように、イタリア北部の約2万2000平方キロメートルに及ぶ広大な地域に4つの会場群が点在する形で実施される。
この方針転換の背景には、国際オリンピック委員会(IOC)による開催費削減と持続可能性重視の方針がある。既存施設を最大限活用することで、新規建設費用を抑制し、環境負荷を軽減する狙いがある。
カーリング会場は70年前の施設を再利用
大会初日の4日には、開会式に先立ってコルティナダンペッツォでカーリング混合ダブルスの1次リーグが開始された。使用される会場は1956年の五輪で使用された施設を再利用したもので、70年の歳月を経て再び五輪の舞台となった。
日本選手団は120人、メダル目標は過去最多超え
日本からは総勢120人の選手団が参加し、2022年北京大会で獲得した冬季五輪最多記録の18個を上回るメダル獲得を目標に掲げている。
メダル獲得が期待される競技は以下の通り:
- スキージャンプ:丸山希らによる複数メダル獲得の可能性
- スノーボード:ハーフパイプ、ビッグエアで金メダル候補
- フィギュアスケート:男子シングル、女子シングル、ペアで表彰台を狙う
- スピードスケート:男女500m、団体追い抜きで複数メダルを期待
一部のメディアによる予想では、金8個、銀9個、銅9個の合計26〜36個のメダル獲得の可能性も指摘されている。
広域開催に伴う課題も浮上
一方で、今大会の広域開催は運営面での課題も抱えている。
日本選手団の伊東秀仁団長は1月6日の会見で、「会場が広範囲に分散しているため、選手の移動や医療支援体制の構築に通常以上の配慮が必要」と述べ、異例の対応を迫られていることを明らかにした。
また、地元イタリアでは、大会期間中の道路交通の悪化やオーバーツーリズムへの懸念が高まっている。一部の住民からは、建設費用や維持費、環境への影響を問題視する声も上がっている。
IOCは「失敗覚悟」で新モデルに挑戦
2月3日にミラノで開催されたIOC総会では、広域開催のモデルケースとして今大会を位置づける一方、「失敗覚悟で臨む」との認識も示された。今後の冬季五輪の開催形態を左右する重要な実験となる見通しだ。
ジェンダー平等にも配慮
今大会は、冬季五輪史上最もジェンダーバランスが取れた大会となることが見込まれている。女性アスリートの参加比率は約47%に達し、男女平等の実現に向けた大きな前進となる。
また、新競技として山岳スキー(スキーモ)が初めて採用され、競技の多様性も拡大している。
今後の展望
ミラノ・コルティナ2026は、冬季五輪の将来像を占う重要な大会となる。広域開催が成功すれば、今後の五輪招致において複数都市による共同開催が一般化する可能性がある。
次回の2030年冬季五輪はフランスアルプスで、2034年はソルトレークシティー・ユタで開催されることが既に決定している。
日本選手団の活躍とともに、新しい五輪モデルの成否が世界中から注目されている。
