2026年2月22日午後8時15分頃、東京スカイツリー(東京都墨田区)の展望台行きエレベーターが運行中に緊急停止し、乗客20人が約6時間にわたって閉じ込められる事故が発生した。運営会社の東武タワースカイツリーは25日に記者会見を開き、事故原因と再発防止策を発表した。
事実経緯
事故が発生したのは、スカイツリーの4階から展望デッキ(地上350メートル)を結ぶエレベーター2基。このうち1基に乗車していた20人の観光客が、翌23日午前2時2分まで約5時間47分にわたって閉じ込められた。
東武タワースカイツリーによると、閉じ込められた乗客に怪我人や体調不良者はいなかったという。救出は隣接するエレベーターを同じ高さまで移動させ、板を渡して乗客を移す方法で実施された。
25日の記者会見で、運営会社とエレベーター製造元の東芝エレベータは、事故原因を次のように説明した。
エレベーターかごと制御盤を結ぶ「移動ケーブル」が、かごの揺れを抑制するローラーガイドに巻き込まれ、ケーブルの被覆が損傷。内部配線が露出して地絡(電気回路の異常)が発生し、機械室の制御盤内のヒューズが溶断したことが直接の原因だった。
指摘される問題点
運営会社は、ケーブルがローラーに巻き込まれた原因として、以下の3つの要因を挙げた。
- ケーブル自体のねじれ
- 風によるスカイツリー塔体の揺れで生じるケーブルの揺れ
- 上記2つの条件が重なった際のローラーガイドへの巻き込み
同社は「3つの要因が重なった極めて稀な状況」と説明している。
東武タワースカイツリーは事故発生を受け、2月23日から25日まで3日間、展望台を臨時休業とした。この期間に予約していた来場者は約6,500人に上り、運営会社は順次払い戻し対応を行っている。
連休最終日の23日には、2ヶ月前から予約していたという海外からの観光客も多く、展望台入り口では落胆する来場者の姿が見られた。
期待される効果
運営会社は再発防止策として、次の対応を実施した。
- ケーブルがローラーガイドに巻き込まれることを防ぐカバーの設置
- 事故が発生したエレベーターの移動ケーブルを新品に交換
- 全エレベーターの総点検と安全確認
これらの安全対策を完了し、東武タワースカイツリーは2月26日午前10時から展望台の営業を再開すると発表した。
今後の展望
東京スカイツリーは高さ634メートルの自立式電波塔で、2012年の開業以来、累計来場者数は3億人を超える国内有数の観光施設。2023年度の外国人来場者数は約127万人で、全体の28.3%を占める。
今回の事故は、超高層建築物におけるエレベーター設備の安全管理の重要性を改めて浮き彫りにした。風の影響を受けやすい高層施設では、今後さらに厳格な点検体制が求められるとみられる。
東武タワースカイツリーは「今後、このような事態が再び発生することがないよう、管理体制の一層の強化に努める」とコメントしている。
