2026年2月12日、米グーグル(Google)の日本法人であるGoogle Japanは、同社が創立から10,000日目を迎えたことを公式SNSアカウントで発表した。投稿には「本日、Google 創立 10,000 日を迎えました!いつもご愛用いただき、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします!」とのメッセージが添えられた。
グーグルは1998年9月27日、スタンフォード大学の博士課程に在籍していたラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏によって設立された。創業から10,000日という節目は、同社にとって歴史的なマイルストーンとなる。
事実経緯:検索エンジンからテクノロジー複合企業へ
グーグルは当初、ウェブページの重要度を評価する独自のアルゴリズム「PageRank」を用いた検索エンジンとしてスタートした。創業者の2人は「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」という理念のもと、ガレージから事業を開始したとされる。
2004年8月19日には株式公開を実施。その後、電子メールサービス「Gmail」(2004年)、動画共有サービス「YouTube」の買収(2006年)、モバイルOS「Android」の開発など、事業領域を急速に拡大した。2015年には持株会社「Alphabet Inc.」を設立し、グーグルはその中核企業として位置づけられている。
現在では検索エンジンに加え、クラウドサービス、広告プラットフォーム、ハードウェア製品など、多岐にわたる事業を展開。2025年10〜12月期の決算では、親会社アルファベットの売上高が前年同期比18%増の1138億2800万ドル(約17兆9000億円)に達したと報じられている。
指摘される問題点:コンテンツエコシステムへの影響
2026年現在、グーグルが最も注力しているのがAI(人工知能)技術の開発と実装である。同社は大規模言語モデル「Gemini」を中核とした生成AI技術を各種サービスに統合している。
2024年5月に導入された「AI Overviews」は、検索結果の上部にAIによる要約を表示する機能で、ユーザーの検索体験を大きく変化させた。しかし、AI技術の進化は新たな課題も生み出している。AI Overviewsによって検索結果ページ上で情報が完結してしまうため、元のウェブサイトへの流入が減少する懸念が指摘されている。
SEO(検索エンジン最適化)業界の関係者からは「従来の検索順位に依存したビジネスモデルがリスクにさらされている」との声が上がっており、2026年はウェブコンテンツ産業にとって転換点となる可能性がある。
また、個人情報保護の観点からも、同社が保有する膨大なユーザーデータの取り扱いについて、継続的な監視と規制強化を求める声が各国で高まっている。EUのデジタル市場法(DMA)や米国の独占禁止法訴訟など、規制環境は厳格化の一途をたどっている。
期待される効果:AI時代の検索革新
一方で、グーグルのAI統合は多くのポジティブな効果も生み出している。2026年1月にはGmailに「Gemini」を全面的に統合し、メールの要約作成や高度な校正機能を提供開始した。ユーザーからは「業務効率が大幅に向上した」との評価が寄せられている。
2025年5月に発表された「AI Mode」は、従来のキーワードベース検索から対話型検索への根本的な転換を示す。ユーザーはAIと会話しながら段階的に情報を絞り込むことができ、より文脈に即した回答を得られる。
業界専門家は、2026年を「AI検索本格化の年」と位置づけており、検索体験の質的向上がさらなるユーザー満足度の向上につながると予測している。
今後の展望:次の10,000日に向けて
グーグルは今後もAI技術を軸とした事業展開を継続する方針を示している。Google Cloud Japanの代表は2026年の年頭メッセージで「AIが単なるツールではなく、ビジネスの在り方そのものを変革する年になる」と述べている。
技術アナリストの間では、2026年以降、GoogleがOpenAIやMicrosoftとのAI競争において優位性を取り戻しつつあるとの見方が強まっている。自社製チップの開発や既存インフラの活用により、技術的なキャッチアップを終えたとの評価だ。
創立10,000日を迎えたグーグルは、次の10,000日、すなわち2053年に向けて、AI時代のリーディングカンパニーとしての地位確立を目指す構えだ。同社がステークホルダー全体との持続可能な関係をどのように構築していくかが、今後の成否を分ける鍵となる。
