消費者物価指数から見る地域経済

消費者物価指数(CPI)とはあ、全国の世帯が購入する商品(財・サービス)の価格などを総合した物価の変動を時系列的に測定したもので、総務省統計局が毎月公表しています。 統計局の家計調査の結果から、家計に占める割合の大きい582品目の価格を支出額の割合を加味して指数を作成します。582品目という半端だなあといつも思う(笑) 指数を作成する品目の価格は、「小売物価統計調査」の小売価格が用いられます。 

支出の中でも、所得税や住民税などの直接税、社会保険料などの非消費支出は指数に含まれません。しかし消費税などの間接税は、商品価格と一体となって含まれています。 また土地や住宅購入のための支払いも直接指数には含まれませんが、自宅から家賃相当額のサービスを購入しているとみなして、特定世帯の住宅費用(餅屋の帰属家賃)が算入されます。

消費者物価指数が、すべての品目から作成された「総合指数」と天候などによる変動が大きい生鮮食料品を除いた「コア指数」(コアCPI)、生鮮食料品・エネルギー価格を除いた「コアコア指数」(コアコアCPI)の3つが公表されています。

2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)5月分 (stat.go.jp)

 上記公表資料から抜粋

図1から 2020年以降の総合指数の動きを見てもわかるように2021年まで横ばいだったものが2021年以降上昇が続いています。

昨日(5月23日)公表された2023年5月の消費者物価指数の概況は、2020年を100として総合指数が105.1(前年同月比3.2%上昇、前月比▲0.3%減少)コア指数が104.8(前年比3.2%上昇)となっています。(表1)参照

2022年5月以降、前年比2%を超える物価上昇が続いており、2022年12月と2023年1月には4%台の上昇となりました。調べてみたところ、41年ぶりの出来事。 値上げラッシュのニュースを耳にはするけれど、実際の統計にも表れているのが見えます。

次に表3を見てみよう。

これは、食料、光熱・水道などの10の費目別に指数や影響度合いを示す寄与度を集計したものです。数字の大きい費目はCPIを動かした原因になっていることを表しています。

この中で、目立つのが、食料(8.6%)でその内訳が、調理食品が9.4%、外食が6.4%、菓子類が11.3%、肉類8.6%、乳卵類17.5%などとなっていました。 表を見てアレ?と思ったところありますか。そう光熱費がマイナス指数なんですね。 これは政府による負担軽減策による効果が原因です。 

電気代は顕著にグラフに表れていますね。

総務省では、「消費者物価地域差指数」も公表しています。消費者物価地域差指数-小売物価統計調査(構造編)2021年(令和3年)結果- (stat.go.jp)

これによると、物価水準が最も高いのが東京都、2位が神奈川県、最も低いのが宮崎県。 費目別にみると、やはり東京都、神奈川県は住居費が高いのが最大の原因ですね。

また住居費のほかに、教養娯楽、教育費が首都圏や近畿圏で高い傾向にあることも地域差として興味深い。

物価上昇の波は今後もしばらく続くと思われ、品目ごとにその値上がりのタイミングが異なったり、地域差もあることから、自身の住んでいる地域の状況をキャッチしておくことは大切なことです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA